モーダルシフトや倉庫相互活動など想定
大王製紙と北越コーポレーションは2月13日、物流の効率化など戦略的業務提携の締結に向け、具体的な検討を開始すると発表した。
国内の紙需要減少、木材チップ・石炭・重油といった原燃料価格の高止まり、物流の「2024年問題」など課題が山積しているのを踏まえ、両社がタッグを組み、構造改革と収益基盤の強化を図る。
業務提携では両社の独立性と健全な競争関係は維持しながら、それぞれの強みを生かして補完し合うことを目指す。
両社は昨年9月に秘密保持契約を締結し、「生産技術」「原材料購買」「製品物流」などのテーマごとに分科会を設けて協力の可否を検討してきた。今年5月頃をめどに業務提携の契約締結を目指し、両社で協議を深めていく構え。
業務提携の具体的な内容は現時点で以下を想定している。
(1)生産技術
・紙・パルプの生産性・品質向上、原価低減に向けた技術協力
・OEM(相手先ブランドによる製造)など生産協力体制の構築(洋紙、段ボール原紙など)
・遊休品・予備品の共有・相互活用
・機械修理・設備保全に関する情報交換によるメンテナンスコスト低減
・工場運営に関する情報共有(安全衛生、工場DX化、技術継承など)
(2)原材料購買
・各種原材料調達プロセスの効率化(BCP対応やCO2削減など)
・木材チップ調達における協力体制の構築
・自製パルプや各種原材料の相互融通
・海外における植林事業のノウハウ共有
(3) 製品物流
・両社グループの物流網を活用した交錯物流の改善
・両社の生産拠点間のラウンド輸送
・コンテナの有効活用によるモーダルシフト推進
・物流倉庫の相互活用と共同配送
中長期的には、新技術の共同研究やエネルギー転換、DX推進、森林資源活用といったテーマについても検討する見通し。
(藤原秀行)