通常より著しく短工期の受注禁止など定めた建設業法と公共工事入札適正化法の改正案を閣議決定

通常より著しく短工期の受注禁止など定めた建設業法と公共工事入札適正化法の改正案を閣議決定

「2024年問題」考慮、長時間労働と賃金改善図る

政府は3月8日の閣議で、人手不足に悩む建設業界の就労環境と賃金の改善を図る建設業法と公共工事入札適正化法の改正案を決定した。

建設業者が通常よりも著しく短い工期で工事を受注するのを禁じることなどが柱。現在は発注側のみ禁止しているが、受注側も規制対象に加え、長時間労働にならないよう適切な工期確保を徹底するのが狙い。

建設業界も長時間労働規制を強化する「2024年問題」を控えており、法改正で環境改善を目指す。

併せて、国交省の中央建設業審議会が労務費の基準を作成・勧告し、発注者と受注者の双方が基準より低い額で見積もりを作成したり、見積もり額を変更するよう依頼したりすることを禁止する。違反した事業者には国交省が是正を勧告、社名も公表できるよう定める。

資材高騰が続いているのを踏まえ、工事の請負代金や工期に影響するリスクがある場合は契約を結ぶまでに受注者から発注者に通知するよう義務化。資材価格が変動した場合に請負代金などをどのように変更するかを契約書の記載事項として明確化することも盛り込んでいる。

併せて、専任の現場監督責任者を建設現場に配置する要件を緩和し、デジタル技術を使って業務を効率化すれば複数の現場で責任者を兼任できるようにするなど、現場の負荷軽減にも目配りする。

(藤原秀行)

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