既存2社統合し基盤強化、非海運事業開拓にも注力
商船三井は4月23日、フィリピンの現地法人2社を統合し、新たに同国の事業を統括する新会社「MOL Enterprise(Philippines)」(MOLエンタープライズ フィリピン)を立ち上げると発表した。
人口増加が続き、高い経済成長が今後も見込まれるフィリピンで事業運営体制を強化する。
従来あったEcoMOL(エコモル)とMOL Bulk Shipping Philippines(MOLバルクシッピング フィリピン)は前者が温室効果ガス排出削減に向けたグループ運航船のオペレーション効率化、後者がドライバルク船の運航業務をそれぞれ手掛けてきた。
今後は新会社が2社の業務を引き継ぐほか、非海運事業の開拓も図り、収益基盤の強化を目指す。
2社の統合に際し、EcoMOLを存続会社として4月に現社名へ変更し、同年6月にMOLバルクシッピングの事業を新会社に移管する。
新会社はフィリピンで新規事業開発を推進する部門「Business Development Division」を設置し、フィリピン発着の海運ビジネス強化に加え、物流事業、不動産事業、洋上風力発電事業などの非海運事業の投資機会開拓にも取り組む。
併せて、新会社はフィリピンのグループ事業統括機能として事業各社間の連携も図る。フィリピンには旧来の2社のほか、現地パートナーとの合弁会社・組織が7つ存在しており、新会社を核にグループ事業各社間の連携強化を狙う。
【6月以降の新会社概要】
会社名 | MOL Enterprise (Philippines) Inc. |
所在地 | 12F, ONE AYALA East Tower, 1 Ayala Avenue, Makati, Metro Manila |
設立 | 2022年4月(EcoMOL設立時。新会社への社名変更は2024年4月に実施済み) |
資本金 | 5,000万ペソ(約1.3億円) |
代表者 | President:高松 泰則(たかまつ やすのり、フィリピン国代表を兼務) |
従業員数 | 36名 |
(藤原秀行)