首都圏の大規模マルチ型物流施設、空室率は9.7%で13年ぶりの高水準

首都圏の大規模マルチ型物流施設、空室率は9.7%で13年ぶりの高水準

CBRE調査、供給引き続き多く

シービーアールイー(CBRE)は4月26日、2024年第1四半期(1~3月)の大規模マルチテナント型物流施設(延床面積1万坪以上)の賃貸市場動向に関する調査結果を公表した。

首都圏の期末時点の空室率は9.7%で、前期(2023年10~12月)から0.4ポイント上がった。前期から上昇したのは3四半期連続。直近では2010年10~12月(11.5%)以来、約13年ぶりの高い水準となった。スペースの需要は旺盛だったが、供給が引き続き多く、カバーしきれなかった。

今期(1~3月)の新規供給は10棟・19万坪で、満床稼働したのはこのうち4棟。稼働率は全体で50%を超えた。

一方、新規需要は14.8万坪で前期を上回ったが、23年の四半期の平均には届かなかった。

首都圏全体の空室面積は62.4万坪で、過去5年の新規需要の年間平均約56万坪を上回っている。

CBREは、4~6月に新規供給を予定している18.2万坪のプレリーシングは現時点で30%程度のため「空室率は第2四半期に10%を超える可能性もある」とみている。

築1年以内の物件の空室率を指す「既存空室率」は4.4%で、前期の2.7%から大きく上がった。12年第1四半期以来、12年ぶりの高い水準を記録した。23年第1四半期に過去最大の供給(32.4万坪)があったが空室を抱えている物件が依然残っていることが響いた。

1坪当たりの実質賃料(共益費込み)は前期から0.4%下がって4500円だった。

CBREは「総じて外縁部中心に需給の緩みが続く中でも、好立地・高スペックの物件ではテナントの引き合いは強い。圏央道エリアでも賃料が堅調に推移している地域も一部では見られている」と指摘した。


首都圏の需給バランス


首都圏のエリア別空室率(いずれもCBRE資料より引用)

(藤原秀行)

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