【独自】佐川グローバルロジ、荷主のサプライチェーン課題抽出サービス「ロジカル」普及加速図る

【独自】佐川グローバルロジ、荷主のサプライチェーン課題抽出サービス「ロジカル」普及加速図る

「2024年問題」受け引き合い増、コンサルティング部署新設し対応強化

SGホールディングスグループで3PL事業などを手掛ける佐川グローバルロジスティクス(SGL)は今年4月、コンサルティング部を新設した。荷主のサプライチェーン全体を見える化して課題を抽出するサービス「ロジスティクス・カルテ(ロジカル)」への引き合いが、「2024年問題」を受けてサプライチェーンの運営を見直したい荷主から増えているのを考慮。提案営業チームとは別に純粋なコンサルティング部門を組織して対応を強化、普及を加速させたい考えだ。

ロジカルは荷主の調達先から納品先までの物の流れと流量、コストを1枚のチャート「サプライチェーンマップ」にまとめて分かりやすく可視化する。複雑なサプライチェーンの全体像と現状を一目で把握できるのが特徴だ。

さらに、SGLのコンサルタントが他社とのベンチマークやコストバランスを分析し、課題を洗い出して改善の優先順位や効果的なソリューションを提案する。


サプライチェーンマップのイメージ


ロジスティクス・カルテの診断表(見本)(いずれもSGL提供)

荷主がデータを提出してから分析結果が出るまでのリードタイムは最短で3週間。費用は税別48万円からで、他のコンサルティングファームや大手3PL事業者の可視化・分析サービスよりも手軽に利用できる料金水準に設定している。

ロジカルはSGLが3PL案件で専門店チェーンを対象に実施したサプライチェーン分析を簡易型コンサルティングサービスとして商品化した。2023年度は取扱件数が前年の5倍以上に急増。その後も問い合わせが伸びているという。

SGLの佐々木朋幸コンサルティング部シニアコンサルタントは「2024年問題に対応するため、まずは現状を定量的に把握したいという荷主の経営層からの依頼が多い。ロジカルはいわば物流の健康診断。われわれの提出したサプライチェーンマップや診断結果が、新規プロジェクトや物流管理部門の設置を検討する基礎資料として利用されている」と手ごたえを感じている。

(大矢昌浩)

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