外食向け卸強化図る
国分グループ本社と業務用食品卸の久世は5月31日、久世の中国法人2社に出資、グループ会社化すると発表した。
対象は上海日生食品物流有限公司(上海市)、久華世(成都)商貿有限公司(成都市)。6月20~28日の間に国分が2社に80%ずつ出資する。残る2割の株式は2社ともに久世が継続して保有する。国分の出資額は8億円程度とみられる。
中国の外食市場はアフターコロナの回復期にあり、今後も成長が見込まれている。アジアにおける日本食レストランの半数以上の約6万店が中国に存在し、今後も増加していくとみられている。
国分は中国法人の上海峰二食品有限公司を中心に上海市、蘇州市で日本食業務用食材卸売事業の拡大を図っている。一方、久世は上海日生および久華世成都を通じ、上海市、杭州市、成都市、重慶市、武漢市を中心に広く日本料理食材を取り扱う業務用食材卸として、多くの日本食レストランと取引している。
国分が2社をグループ化することで久世との連携を強め、双方のノウハウを活用して中国で外食向け食材卸事業の拡大を図る。
国分は上海峰二、上海日生の商品ラインアップを合わせると約4000SKU(最小管理単位)の品揃えを有することになる。日本料理食材を一括で購入できるプラットホームや上海市内をカバーする物流網を提供することで、上海に進出する日系外食企業や現地飲食店をワンストップでサポートする。
また、上海、杭州、成都、重慶、武漢に進出している上海日生および久華世成都を迎え入れることで、業務用日本料理食材のサプライチェーンのエリア拡大を図る。
現在取り扱う一般加工食品に加え、酒類および鮮魚を中心とした生鮮に拡大。両社グループが保有する業務用チャネルを最大限に活かし、中国産の清酒やビール、水産物などに加え、日本産和酒や海外生鮮品の輸入販売に注力する。
さらに、上海日生、久華世成都、および国分グループのノウハウ、調達力を活用し、品質やコスト競争力の高い業務用オリジナル商品の開発を進める。中国国内に加え、日本やASEAN(東南アジア諸国連合)、欧米諸国への輸出も視野に入れて販売を強化する。
(藤原秀行)