事業自体のノウハウ取得目指す
伊藤忠商事は6月11日、商用車の自動運転技術開発や自動運転車両を用いた物流サービスを米国とカナダで展開しているるGatik(ガティック)に出資したと発表した。具体的な出資額は開示していない。
ガティックは自動運転のソフトウェアに加え、自動運転車両の全体設計や、試験評価に関するノウハウを有し、既に公道(高速道路・一般道路)での「レベル4」(限定条件下での完全自動運転)商用運行にも2021年に成功している。
特に「ミドルマイル領域」と呼ばれる物流セグメントで、荷主の中間倉庫間、および倉庫と店舗間で、自動運転車両による物流サービスを提供している米国初、かつ唯一のプレイヤーという。
伊藤忠は出資を通じ、米国で取り組む商用車の卸売・販売金融事業とのシナジー創出を目指すとともに、自動運転事業自体のノウハウも取得、蓄積していきたい考え。
ガティックに対しては、いすゞ自動車も5月、3000万ドル(約47億円)を出資したと発表。物流向けの自動運転用車体を共同で開発することを狙っている。
(藤原秀行)