サイバー攻撃でシステム機能停止のKADOKAWA、物流は既刊書籍出荷部数が平常時の3分の1にとどまる

サイバー攻撃でシステム機能停止のKADOKAWA、物流は既刊書籍出荷部数が平常時の3分の1にとどまる

経理機能は7月初旬に復旧のめど

KADOKAWAは6月27日、子会社のドワンゴが展開している動画共有サービス「ニコニコ動画」などのシステムがサイバー攻撃を受けてダウンしているのを受け、被害拡大とデータ保全のため、他のサービス領域でもシステムの機能を停止している問題について、現在の復旧状況を公表した。

中核の出版事業は、システムに依存しない対応を進め、出版物などの製造への影響の最小化に努めていると説明。紙書籍に関しては、重版分の製造は優先順位を付けて対応しているが、新刊の製造は平常時の水準を維持していると強調した。

電子書籍は一部で配信が遅れるケースがあったが、現在は制作への影響は出ていないという。

書籍の物流については、同じくシステムに依存しない対応を展開し、影響の最小化を図っていると解説。新刊は平常時と同等の水準で出荷部数を維持している一方、自社システムの影響度が高い既刊は販売会社の協力を得ながら書店からの注文に応じて出荷しているものの、部数は平常時の3分の1程度にとどまっている。

経理機能については、アナログ対応を含めて7月初旬に復旧するめどが立っているという。それ以外の事業に関しては、復旧のめどは不明。

(藤原秀行)

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