LegalOn Technologies、運輸・物流業界向け提供の法務コンテンツ強化

LegalOn Technologies、運輸・物流業界向け提供の法務コンテンツ強化

新たに労使協定書のひな形提供、ライドシェア対応も

AIを活用した契約書の審査・管理システムなどを展開しているスタートアップのLegalOn Technologies(リーガルオンテクノロジーズ)は7月1日、AIを駆使して企業の法務を包括的にサポートする「LegalOn Cloud」(リーガルオンクラウド)で、業界特化型の法務コンテンツを強化すると発表した。

第1弾として、「2024年問題」などで注目を集めている運輸・物流業界向けの内容を拡充する。他の業界も特化した法務コンテンツを定期的にリリースする予定。

同社はこれまで、さまざまな業界の企業関係者らが使いやすいよう、契約書のひな形など汎用的な法務コンテンツを提供してきた。

今後は利便性をさらに向上させるため、特定の業界に即したレビュー機能やひな形などの法務コンテンツを提供、実務に即した契約業務の支援を強化することにした。


(LegalOn Technologies提供)

運輸・物流業界はトラックドライバーをはじめ働き手の不足、燃料価格高騰、2024年問題、ライドシェア解禁といった課題が山積。法令改正への対応を強いられ、契約業務にも影響が出ている。その半面、同業界は中小企業が多く、人材をはじめリソースが不足していることから迅速に問題へ対応できないケースも見られた。

そうした状況の改善を後押しするため、「LegalOn Cloud」で両業界の事業に即した法務支援を強化、運輸・物流業界の成長を後押ししたい考え。

同社は既に、運輸・物流業界向けの法務コンテンツとして、物流委託契約(和文・英文)やバス運行業務委託契約などの契約書ひな形をそろえており、23年12月には運送業界向けの就業規則のひな形も提供を開始した。

今回は新たに、ライドシェアに関する規程や、タクシー・バス・トラックそれぞれに準じた労使協定書のひな形を提供する。

同社は契約書に問題がないかどうか締結前にAIが自動でレビューするサービス「LegalForce」リリース後、初期の段階から物流委託契約に対応し、物流業界の適正な契約審査を支援してきた。

今後、対応類型を拡充し、運輸・物流業界の契約審査を盤石な体制で支援していく構え。

■運輸・物流業界に特化したひな形(一例)
– 物流委託契約(委託者有利・受託者有利・中立)
– 【下請法対応】物流委託契約(委託者有利・受託者有利・中立)
– 運送配達業務委託契約(委託者有利・受託者有利)
– 倉庫寄託契約(寄託者有利・受寄者有利・中立)
– 倉庫賃貸借契約(賃貸人有利・賃借人有利)
– バス運行業務委託契約
– 就業規則_運送業
– 運輸・物流業界の各種約款
(一部英文あり)

■運輸・物流業界に特化した自動レビュー類型・チェックポイント(一例)
・物流センターや事業所への立入検査
契約書中に、物流業務の委託者が、物流事業者の物流センターや事業所に、物流事業者の同意を得ることなく立ち入って検査することができる内容が記載されている場合に、この規定の削除や修正を検討してもらうためのチェックポイントを用意

・在庫数と帳簿上の在庫数が一致しない場合の責任
契約書中に、実際の在庫数と帳簿上の在庫数が整合しない場合の受託者の責任の規定があった場合に、物流事業者が過度な責任を追わないよう規定の削除や修正を検討してもらうためのチェックポイントを用意

(藤原秀行)

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