ダイドー、JR東海と共同で上腕アシストスーツ「TASK AR」を改良

ダイドー、JR東海と共同で上腕アシストスーツ「TASK AR」を改良

工事現場の実用性大きく改善

アシストスーツなどを手掛けるダイドー(大阪府河内長野市)は7月23日、ばねやダンパーの動力を活用した、上腕アシストスーツ「TASK AR」をブラッシュアップするため、JR東海と共同開発をし、最新モデル「TASK AR Type S+」を製品化したと発表した。

TASK ARは、一般的な腰部を保護する製品とは異なり、腕を上げ続ける作業をターゲットとした上腕のアシストスーツ。

ダイドーがキッチンの昇降機構などで培った、ばね・ダンパーを活用した設計技術を生かし、2019年1月にTASK AR1.0を発売。その後、現場の声を聴きながら改良を重ね、最新モデルは本体重量1.6kgの軽量コンパクト設計を実現した。建築工事、自動車の組み立て工場、農業の現場などで好評を博しているという。

JR東海は鉄道に関連する工事で人材を確保するため、作業負荷軽減に取り組んでおり、電力不使用でコンパクトなTASK ARシリーズに着目。一方で現場投入のためには、課題があったことから改良が必要と判断、共同開発でブラッシュアップを図ることにした。


作業の様子

共同開発では、工事現場で腕を上げる作業以外を阻害しない、着用のわずらわしさをできる限り低減するという2点に主眼を置き、改良を実施。従来品では腕を上げ続ける作業以外にでアシストが作業を阻害するという課題があったため、必要な時だけアシストを作動させるON-OFF機構を実装した。

また、アシスト機構を、工事に従事する職人の多くが使用する胴ベルトに装着できるよう、アタッチメント化。既に活用しているベルトと一体化することで、アシストスーツをわざわざ装着するというわずらわしさを低減した。アシスト機構を必要としない作業では同機構を取り外せるようにしている。

さらに、オプションアタッチメントを活用することで、フルハーネス型安全帯と一体化して着用できる。

他にも、アシストスーツの機構が電車線などに引っ掛かることに起因する転倒といった災害発生リスクを抑制するため、外骨格部分の突起をできる限り排除した。


製品写真(いずれもダイドー提供)

■仕様情報
名称   :TASK AR Type S+(タスクエーアール タイプエス プラス)
本体重量 :2.0kg(腰ベルトセットの場合)
動力   :ショックコード
アシスト力:4.0kgf
サイズ  :フリーサイズ ウエスト140cmまで対応可能
保証期間 :購入から1年間
着用時間 :約1分

新モデルは7月24~26日に東京ビッグサイト東展示棟で開催され、一般社団法人アシストスーツ協会として共同出展する展示会「第11回 東京 労働安全衛生展」でお披露目する。

(藤原秀行)

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