物流施設向け脱炭素ソリューション「GX Logistics」初稼働
伊藤忠商事系の新電力、アイ・グリッド・ソリューションズは7月26日、JA三井エナジーソリューションズと連携し、センコーの物流拠点「京葉PDセンター」(千葉県市原市)に、屋根上太陽光発電と産業用蓄電池を併せて新設、アイ・グリッドが推進する「GX Logistics」の第1号施設として運用を開始したと発表した。
GX Logisticsは太陽光パネルの設置面積を最大化しつつ、再生可能エネルギー由来の電力の自家消費比率を大幅に向上させる「余剰電力循環スキーム」と太陽光発電、蓄電池、EV(電気自動車)など分散型エネルギー源をネットワーク化し、需給調整する。
アイ・グリッドは流通小売、物流などの企業向けを中心に、施設屋根上に初期費用なしで太陽光発電所を導入する「オンサイトPPA事業」を展開している。全国に拡充している分散型の太陽光発電施設での再エネを最大限に活用し、企業の再エネ自給率を高め、地域の脱炭素化を促進する。
京葉PDセンターの屋根上太陽光発電は、日中の稼働時間帯に必要な総電力の約50%を賄える設計。早朝や休日など稼働しない時間帯や発電量が多い時期など、施設で使いきれない余剰電力量をAI予測による再エネプラットフォームによってコントロールし、併設した産業用蓄電池に貯め、電力使用量に応じて放電できるようにしている。
屋根のポテンシャルを最大活用した再エネ循環が行えるGX Logisticsは、施設の再エネ自給率の最大化を実現できると強調。平時だけではなく、停電などの非常時における非常用電源としての役割を果たすことで事業継続にもつなげられると見込む。
センコー京葉PDセンターの外観(アイ・グリッド・ソリューションズ提供)
【大型蓄電池併設太陽光発電施設の概要】
京葉PDセンター 屋上スペース(蓄電池は地上に設置)
所在地:千葉県市原市海保1545-2
パネル設置容量:合計 649.92kW
年間計画発電量:合計 約608,680kWh
蓄電池容量:合計 193.5kWh
(藤原秀行)