「中継移送」対応物流施設開発の促進へ規制緩和や補助も
不動産協会は7月29日の理事会で、2024年度の「成長型経済に資するまちづくりを促す政策要望」を決定した。
物流政策に関しては、「2024年問題」や物流業界のSDGs推進を考慮し、昨年度の要望に続き、長距離輸送を効率化する「中継輸送」に対応した物流施設開発を促すための規制緩和や補助を講じることなどを提唱。
併せて、生活様式の変化などで需要が増えている冷凍・冷蔵倉庫の新設・更新に資する制度の創設・拡充を求めている。
同協会は今後、他の物流関係団体などとも連携しながら、国土交通省などに政策や税制改正の実現を働き掛けていく方針。
政策要望は、老朽化した物流施設の建て替え促進策や物流不動産における物流総合効率化法(物効法)の利用促進のための方策、物流DX(自動化・機械化)や物流標準化の後押し、遠隔監視カメラなどを使った物流施設の維持管理要員削減を提言。
このほか、トラックドライバーや倉庫従業者の確保と労働環境改善、太陽光発電設備や蓄電池の設置促進なども列挙している。
東京都内で理事会後、記者会見した同協会の吉田淳一理事長(三菱地所会長)は「今後はこれらの要望が政府の重点的な施策として取り上げられるよう、各方面へ積極的に働き掛けていく」と語った。
(藤原秀行)