都内の一部地域で先行、年内めどに全国展開目指す
LINEヤフーと出前館は8月13日、生鮮食品や日用品などを最短30分で届ける「Yahoo!クイックマート」の提供を、東京都内の一部地域で同日開始したと発表した。
まず港区と渋谷区、新宿区から先行してサービスを実施し、医薬品など取り扱い商品を拡充しながら、今年中をめどに全国での展開を目指す。
「クイックマート」は「Yahoo!ショッピング」(アプリ、スマートフォンブラウザー版)内でサービスを展開、ユーザーは「Yahoo!ショッピング」上で注文から決済まで完結できる。対象金額の1%の「PayPayポイント」を付与する。
ユーザーは配達を希望する場所の対象エリア内にあるコンビニエンスストアやスーパーなどで販売されている生鮮食品・日用品を選択、注文・決済する。その後、出前館の配達員がストアで該当商品をピックアップし、最短30分で商品を届ける。
サービス開始時の対象ストアはローソン、マルエツ、Picard(ピカール)。今後、ドラッグストアなどを順次追加していく方向。
これまでLINEヤフーと出前館などは、入出荷に専念する「ダークストア型」の「Yahoo!マート by ASKUL」を都内中心で提供してきた。新型コロナウイルス感染症の拡大による在宅時間の増加などにより急速に浸透し、感染症が収束した後も、社会の変容を背景に継続的に多くのユーザーに利用されており、食料品や日用品の即時配達事業に大きな可能性を感じている。
タイムパフォーマンスを意識するユーザーの数は増加しており、日本インフォメーションの調査によると、タイムパフォーマンスを意識して行っていることは「ながら動画視聴」に次いで「ネットショップ・ネットスーパーの利用」が多かったという。
農林水産省によると、スーパーやコンビニエンスストアなどが近くになく、自動車も使えない買い物が困難な買い物弱者(65歳以上)が2020年時点で、全国に904万3000人存在すると見込まれ、高齢者を中心に食料品の購入に不便や苦労を感じる「食料品アクセス問題」が顕在化している。
現状を基に、LINEヤフーと出前館はこれまで以上に提供エリア・商品を拡充することで、ユーザーのタイムパフォーマンス向上や「食品アクセス問題」の課題解決の一助となることが可能と想定。「クイックマート」の開始に踏み切った。
「クイックマート」は小売事業者と連携し、実店舗から商品を配達することで、従来のダークストア型ではカバーが難しかったエリアへの配送や商品の取り扱いが可能になると想定している。
「クイックマート」のリリースに伴い、これまで提供してきたダークストア型の「Yahoo!マート by ASKUL」は8月末にサービスを終了する。また、「出前館」での日用品配達についても、順次「クイックマート」へ切り替えていく見通し。
(藤原秀行)※いずれもプレスリリースより引用