自動倉庫システムのオートストア、冷凍・冷蔵商品のピッキングに対応開始へ

自動倉庫システムのオートストア、冷凍・冷蔵商品のピッキングに対応開始へ

保管コンテナ詰み上げ可能段数増なども実現、使用床面積を最大11%削減見込む

自動倉庫システムを手掛けるノルウェーのAutoStore(オートストア)は9月13日、新機能として今秋、冷凍・冷蔵商品の保管が可能になるマルチ温度ソリューションなど4種類の提供を本格的に始めると発表した。

マルチ温度ソリューションは、1つのAutoStoreキューブ(保管エリア全体)内で冷凍・冷蔵ゾーンを設置できる。-25℃の冷凍ゾーンから6℃の冷蔵ゾーンで構成。冷凍商品のピッキングは冷蔵ゾーンのポートで行われるため、冷凍環境の中で商品をピッキングする必要がなく、オペレーターにとってより良い労働環境を作り出せるという。

既に2カ所でマルチ温度ソリューションの導入をスタート。1カ所目はStrongPointによってノルウェーの食品流通会社Haugaland Storhusholdningが採用し、現在稼働している。2カ所目はSwisslogを介してLa Réserve des Saveursの納入する予定。マルチ温度ソリューションは、2025年の第一四半期から注文可能になる方向で準備を進めている。

また、商品を保管するAutoStore Grid(オートストアグリッド、保管ビンを積み上げるためのアルミ製枠組み)を垂直方向に拡張し、高さ330mmのビンの場合は保管ビン(専用コンテナ)が16段から18段に、220mmの場合は24段から26段に増やせる。

保管密度が最大12.5%向上し、さらに2段追加することでフルフィルメントセンターは精度、柔軟性、モジュール性を犠牲にすることなく、グリッドの床面積を最大で11%削減できるとみている。この機能は、グリッドを新たに導入する全てのユーザーが利用可能。

さらに、グリッドの上で定期メンテナンス作業を実施する際、より簡単で安全に操作できるツールとして電動サービス車両を新たに提供する。作業員の安全性を優先することで、大規模顧客からのシステムへの信頼性をさらに高められるとみている。電動サービス車両は2025年の第一四半期から注文可能となる予定。

併せて、AutoStoreはキューブ・コントロール・ソフトウェアを強化する。顧客は、休憩時間や作業時間外に問題を未然に対処し、予定外の停止ではなく計画的な介入ができるようになったほか、Unify Analyticsプラットフォームを改良し、より包括的なシステム監視を実現した。

(藤原秀行)※いずれもAutoStore提供

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