指示の作成自動化、配送費低減も見込む
NTTロジスコは9月19日、店舗間の在庫移動を支援する「スマートエスアール(店舗在庫再配分ソリューション)」の提供を開始したと発表した。
同社は旧来、「スマートリプ(納品平準化ソリューション)」を通じて、倉庫から店舗への補充指示の高度化・自動化を図り、店舗の在庫適正化と欠品削減、物流効率化を後押ししてきた。
倉庫から店舗への補充が終了した後、店舗在庫を売り切ることが小売業の経営に大きな影響を与えるため、在庫消化率の向上には、店舗間の在庫移動が有効となる。また、サステナビリティの観点から商品を売り切り、廃棄を減らすニーズも高まっており、この点でも店舗間在庫移動の重要性が再評価されている。
ただ、店舗間在庫移動指示の作成や、店舗における商品返却のオペレーションには大きな負担が生じるため、新たなソリューションで課題解決を促すことにした。
「スマートエスアール」はデータドリブンで在庫返却と再配分指示の作成を自動化し、指示に基づいて物流業務を実行する。
需要変動によって店舗間で在庫量の偏在が生じた商品について、標準化したロジックに基づき過剰・過少を判定し、店舗ごとに在庫保有日数を均一化する返却・再配分指示を自動的に作成する。
さらに、店舗の返却作業負担を考慮し、店舗の返却アイテム数の上限値を設定することを可能にしている。また、近隣店舗から優先的に返却指示をかけることにより配送費の低減も実現できると見込む。
併せて、倉庫を経由して商品を返却・再配分することで、店舗は商品をまとめて返却することが可能。返却された商品を倉庫で商品別・カテゴリー別に仕分けし、商品在庫が不足する店舗に配送することで送付先店舗は商品を陳列しやすい形で受け取り、作業負担を軽減できるとみている。
ソリューションの概要(NTTロジスコ提供)
(藤原秀行)