アイリスオーヤマが赤ちゃん用紙おむつ事業に参入、トラックに飲料水と混載し積載効率最大化図る

アイリスオーヤマが赤ちゃん用紙おむつ事業に参入、トラックに飲料水と混載し積載効率最大化図る

王子ネピアの生産設備一部取得、静岡・裾野の向上で25年に生産開始予定

アイリスオーヤマは11月27日、王子ネピアから11月21日付で国内赤ちゃん用おむつの一部の生産設備を取得したと発表した。併せて、王子ネピアが国内で販売する「Genki!」ブランドのライセンス契約を11月25日付で締結した。

アイリスオーヤマは富士裾野工場(静岡県裾野市)の一部を改修し、2025年上旬をめどに赤ちゃん用紙おむつの生産を開始する予定。

同工場は飲料水を生産するため2023年7月に稼働を開始した。重量物の飲料水を積載したトラックは積載量規制で荷台に空きスペースが生じるため、容量物の赤ちゃん用紙おむつを混載することで、積載効率を最大化し、物流の効率化を狙う。 

同社は2020年、新型コロナウイルス感染症の流行を契機にマスク需要が急増したため、中国の大連工場と蘇州工場の2拠点の生産に加え、20年7月に宮城県の角田工場(宮城県角田市)にマスク生産設備を導入したことで、日本国内に月2億3千万枚のマスクを供給できる体制を構築した。

新型コロナが5類感染症に移行した後も、不織布製品の生産技術を活用した商品開発を進め、ラインアップを拡充することで、マスク以外の除菌ウェットシートやフローリングシートなどの新商品を発売してきた。

不織布製品の知見を活用したヘルスケア事業の強化を検討する中で、王子ネピアと協議を重ね、国内赤ちゃん用おむつの生産設備の取得と「Genki!」ブランドのライセンス契約にこぎ着けた。

アイリスオーヤマは「Genki!」ブランドの高い知名度と、自社が強みとしている物流体制と販売網を組み合わせ、赤ちゃん用紙おむつ事業に新規参入する。今後、赤ちゃん用紙おむつを事業の柱に加え、衛生用品のラインアップを拡充することで、ヘルスケア事業の経営基盤を強化したい考え。

同社は今後も赤ちゃん用紙おむつ、マスクなど衛生用品を中心に、段階的にヘルスケア関連商品のラインアップ拡充を図り、2030年にはヘルスケア事業で売上高約400億円を目指す。

アイリスオーヤマ富士裾野工場 概要※
工場取得日:2023年1月24日
所在地:静岡県裾野市須山2810番地の4 他
敷地面積:60,759㎡
延床面積:20,981㎡
従業員数:約140名
製造商品:飲料水

【物流倉庫】
延床面積:45,583㎡
パレット数:約80,000パレット

※2024年10月末時点

(藤原秀行)

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