橋本総業の委託先運送事業者への残業代未払い、公取委が「物流特殊指定」で初処分★続報

橋本総業の委託先運送事業者への残業代未払い、公取委が「物流特殊指定」で初処分★続報

再発防止の改善計画認定、3800万円支払いへ

公正取引委員会は12月12日、管工機材や住宅設備の卸大手、橋本総業が委託先の運送事業者に残業代を支払わないなどの問題行為を行っていたのを受け、同社が提出した再発防止のための改善計画を認定した。

公取委は荷主との取引で弱い立場に陥りがちな運送事業者を保護するため、2004年に荷主側の不公正な取引方法を「物流特殊指定」として定め、独禁法に違反する行為と明示している。

また、2018年には独禁法の疑いがある企業が自主的に改善計画を提出し、実効性があると公取委が認定すれば排除措置命令や課徴金納付命令を免除する行政処分「確約手続き」を導入した。

公取委は今年6月以降、橋本総業の行為が物流特殊指定に該当する可能性があるとして調査を実施。橋本総業は同制度に基づき、公取委に改善計画を出しており、実効性があると公取委が認めた。

橋本総業は改善計画に基づき、下請けの運送事業者約25社に未払い分の残業代などを総額約3800万円支払うとともに、今後5年間は問題の行為を再び行わないことを確約している。公取委が物流特殊指定で行政処分を出したのは今回が初めて。

公取委によると、橋本総業は遅くとも2017年7月以降、委託先の運送事業者が時間外労働をしたにも関わらず対価を支払わなかったり、あらかじめ契約で決めたはずの運送料から「割戻金」と称して一方的に減額したり、配送センターで製品をトラックに積み込む作業を無償で行わせていたりしていた。

橋本総業は12月12日、「認定を受けました確約計画を確実に実施するとともに、独占禁止法遵守をはじめとするコンプライアンスの徹底を一層強化し、物流業者各位と 真のパートナーシップを構築して、お取引先様のご期待に応えられるよう事業活動を進めてまいります」とのコメントを発表した。

(藤原秀行)

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