東南アジア初の製造拠点設置、域内で供給能力強化図る
厨房機器大手のホシザキは12月19日、ベトナムで産業用冷蔵・食品加工設備の製造・販売を手掛けるASIA REFRIGERATION INDUSTRY(アジア・リフリジレーション・インダストリー、ARICO=アリコ)を買収すると発表した。
同日付でARICO株式の51%を取得する契約を締結した。具体的な取得額は開示していない。
株式取得は連結子会社で東南アジアの地域を統括しているシンガポールのホシザキ・サウスイーストアジア・ホールディングスおよびホシザキ・ベトナムを通じて2025年2月末を予定している。株式取得後、ARICOは連結子会社となる。
ARICO社屋外観(ホシザキ提供)
ARICOはベトナムの空調・電気設備工事大手SEAREFICO(シーレフィコ)の子会社で、2007年にシーレフィコの産業用冷蔵事業を分離、発足した。物流、製薬、飲食業、食品加工業など幅広い産業へ、コールドチェーン向けの産業用冷蔵システムなどの設備・ソリューションを提供している。
ホシザキは供給スピード、物流コスト抑制、地政学的リスク回避の観点から、需要地に近い場所での製品生産を推進している。今後一層の成長を進めるための核となる海外で売上高と市場シェアを高めるべく、東南アジアで商圏拡大に取り組んでいるが、これまで域内での生産拠点確保が課題となっていた。
ホシザキはARICOに投資し、2026年前半をめどにARICOのホーチミン市の既存工場内でホシザキブランドの業務用冷蔵庫の生産を開始する予定。ホシザキとしては東南アジアで初の生産拠点。
ARICOの市場知識・コールドチェーン関連機器製造技術と、ホシザキの業務用冷蔵庫の開発・生産技術を組み合わせ、高品質製品の提供、納期短縮、特注機対応力強化、輸送費の削減を実現したい考え。
ARICOの製品出荷はベトナムからスタートし、東南アジア域内へ順次広げていくことを想定している。
(藤原秀行)