SNSで全面返還要求示唆のトランプ氏に強く反発
パナマのホセ・ラウル・ムリノ大統領は12月22日、SNSのX(旧ツイッター)に投稿した動画で、トランプ次期米大統領がパナマ運河の通航料引き下げを要求し、応じない場合は米国への全面返還を要求する意向を示唆したのを受け、「パナマ運河とその周辺の地域は全てパナマのものだ」などと主張、トランプ氏に強く反発した。
ムリノ大統領は、トランプ氏が現在の通航料を「ぼったくり」などと表現したことについて「料金は気まぐれに設定しているわけではない。公に設定されている」と説明、海運市況やコストなどを加味して公正に決めているとの見解を強調した。
また、「パナマ運河はいかなる勢力にも支配されていない。不可分の遺産としてこれからもパナマ人の手にあり続ける」と表明。パナマが中国との関係を強めていることにトランプ氏が懸念を抱いているとの見方が関係者から出ている点に反論した。
メキシコのクラウディア・シェインバウム大統領も12月23日、X上で「パナマ運河はパナマ人のもの」と投稿、ムリノ大統領を支持する姿勢を見せた。
一方、トランプ氏は12月23日、SNS「Truth Social」の自身のアカウントで「どうなるかはそのうち分かる!」と投稿。続いて、「米国運河へようこそ!」とのメッセージとともに、運河のような水域を背景にして米国の星条旗が立っている写真を掲載した。
(藤原秀行)