楽天、「送料込み」一律導入から出店者選択可能に変更

楽天、「送料込み」一律導入から出店者選択可能に変更

公取委の強硬姿勢など考慮か

楽天は3月6日、インターネット通販サイト「楽天市場」で原則3980円以上購入すると「送料込み」の価格と表示する新たな料金体系を3月18日に始めることに関し、希望する出店者が新料金体系の導入を選択できるようにする方針を発表した。

当初は一律に導入する予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大で人手不足になっている一部出店者が実施の延期を要請していることや、導入に反対する出店者がいることに配慮したとみられる。同社は新料金体系への対応準備が整った出店者から順次導入するよう要請していく構えだ。

「送料込み」をめぐっては、公正取引委員会が今年2月、優越的な立場を利用した不当な要求に該当する疑いがあるとして、独占禁止法に基づき東京地裁に緊急停止命令を申し立て、裁判所が命令を出すかどうか協議している。

楽天は従来、新料金体系に関し「法令上問題はない」と繰り返し表明してきたが、公取委の強硬姿勢も考慮して戦略を一部修正した可能性がある。ただ同社は今回の方針変更については、公取委の影響を否定している。

(藤原秀行)

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