「空飛ぶクルマ」開発の独ボロコプターが破産手続き開始申請、事業は継続

「空飛ぶクルマ」開発の独ボロコプターが破産手続き開始申請、事業は継続

欧州当局から型式認証の取得難航

「空飛ぶクルマ」の開発を手掛けるドイツのスタートアップVolocopter(ボロコプター)は2024年12月30日、同国カールスルーエの地方裁判所に12月26日付で破産手続きの開始を申請したと発表した。同裁判所は12月27日、破産管理開始を決定した。

同社は開発を継続するのに必要な資金を調達できなかったためと説明。裁判所が認定した管財人の下で経営の再建を図り、資金の確保を目指す。同社によれば、管財人が25年2月末までに再建計画を取りまとめる。

ボロコプターは2011年発足。日本からは住友商事も出資している。空飛ぶクルマを使った旅客輸送「空飛ぶタクシー」の実用化に向け、欧州航空安全機関(EASA)から機体の量産に不可欠な型式認証を取得することを目指していたが難航。

日本航空(JAL)は25年の大阪・関西万博で、ボロコプターと組み、空飛ぶクルマの電動垂直離着陸機「Volocity(ボロシティ)」を飛行させる計画を公表していたが、24年に急きょボロコプターから米アーチャー・アビエーションに切り替えていた。


2023年に公表した、ボロコプターが開発を進める「空飛ぶクルマ」のイメージ(住友商事提供)

(藤原秀行)

テクノロジー/製品カテゴリの最新記事