帝国データ調査、人手不足と燃料高のダブルパンチ響く
帝国データバンクは3月10日、道路貨物運送業の倒産状況に関する調査結果を公表した。
今年2月の倒産は20件、2024年度の累計(24年4月~25年2月の11カ月間)は328件に達し、既に前年度(317件)を上回った。
同社は、現状のペースが続くと通年では360件前後に上り、リーマンショックの直撃で経済が大混乱した2008年度の371件に迫る過去2番目の高水準となる公算が大きいという。
倒産増加の背景として、同社は「人手不足 」と「燃料価格の上昇」を指摘。このうち、前者が原因の倒産は24年度(11カ月累計、全業種)で判明した308件のうち、道路貨物運送業者は38件と全体の12.3%を占めている。
物価高が引き金となった倒産(物価高倒産)は24 年度(同)で判明した841件のうち、道路貨物運送業者は116件で13.8%に及んでおり、その9割が「燃料価格の上昇」を要因としていた。同社は「人手不足・物価高(燃料高)のダブルパンチが深刻化している」と分析している。
今後については、労働人口減少の傾向に加え、ドライバーの高齢化、人手不足が続く他業界との人材確保競争に伴う賃上げなど、さらなるコストアップ要因も加わり「道路貨物運送業の倒産は高水準で推移する可能性が高い」と展望。「荷主と一体となった運送料金そのものの引き上げや、再委託構造の改善による価格転嫁率の上昇など、抜本的な対策が待ったなしの状況と言えよう」と訴えている。
(プレスリリースより引用)
(藤原秀行)