「グレーターロンドン」の都心型案件を予定、旺盛な需要に対応
三菱地所は3月28日、英国で物流施設開発事業に参入したと発表した。
現地法人の三菱地所ロンドン社を通じ、ロンドン中心部に至近のグレーターロンドン(大ロンドン)で、物流施設「Bromley 」(ブロムリー、地上1階建て3棟、延床面積約8110㎡)を開発する。
事業用地を2024年12月に取得した。
英国は欧州諸国の中でも都市人口比率が高く、今後も都市化が進む見込みとなっているのに加え、他の欧州各国と比してEC普及率が高く、より一層タイムリーな配送を求める消費者心理も高まっており、都市部を中心とした物流・配送の需要は増加している半面、英国全体として高品質の物流施設供給は限定的な点を考慮。
特に、新規の物流施設開発余地が限定的なグレーターロンドンはその傾向が顕著のため、高品質の都市型物件を手掛けることにした。
三菱地所グループは英国で1986年に現地法人を設立して以来、ロンドンで計7件のオフィスビル開発・改修事業を推進するなど、累計15棟の賃貸用オフィスビルを保有・運営している。
2019年には賃貸住宅開発、20年には欧州大陸でのオフィスビル開発にもそれぞれ参画、アセットクラスの拡大・多様化を図っている。
需要の底堅い英国の物流施設開発事業も市況を見極めながら年1件程度、継続的に投資し、海外事業の収益基盤拡充と持続的な成長につなげていきたい考え。
新物件はグレーターロンドンの南部、ロンドン中心部から南東約15kmのBromley(ブロムリー)地域に位置。主要国道(A205線、通称サウス・サーキュラー)に近く、ロンドン中心部や周辺の居住人口集積地への最終配送拠点として効率的な物流・配送が可能と見込む。
3棟・11ユニット構成で、各ユニットの延床面積が約275~1513㎡、合計約8110㎡のプライムグレードの物件を供給する。
環境にも配慮し、太陽光パネルの設置、リサイクル材の活用、電気自動車用充電ポートの設置などを実施。国際的なグリーンビルディング認証「BREEAM Outstanding」の取得を目指す。
本物件の周辺エリアは今後の新規供給が極めて限定的で、荷主企業や物流事業者の最終配送拠点需要に加え、周辺エリアの周辺住民・企業を主な対象とした倉庫・販売所・ショールーム用途等、中小規模の幅広い需要が見込まれます。
三菱地所グループは米国を中心に現在、全8カ国・地域で50施設以上の物流事業を展開している。
英国ロンドンのオフィス開発事業
英国の賃貸住宅事業
英国以外の欧州諸国における事業(いずれもプレスリリースより引用)
(藤原秀行)