法定上限超えて作業に従事、航海日誌に操練実施と虚偽記載も
国土交通省関東運輸局は4月1日、東海汽船に対し、船員の労働時間限度超過といった複数の船員法や海上運送法に違反した事例を確認したことを踏まえ、同日付で船員法に基づく是正命令と海上運送法に基づく輸送安全確保命令を出したと発表した。
30日以内に改善策を報告するよう指示している。
関東運輸局によると、東海汽船は東京~八丈島などの3航路について、2024年6~9月の間、多くの船員を法定の上限を上回る時間、作業に当たらせたほか、長期間にわたり、旅客避難などの必要な訓練を修了していない従業員を旅客船に乗り込ませていた。
また、船長が乗組員に対し、非常時の操練(訓練)を定められた内容や頻度で実施していなかった上、航海日誌には操練を実施していなくても行った旨、虚偽の記載をしていた。
東海汽船は4月1日、「お客様並びに関係者の皆様には、多大なるご迷惑とご心配をお掛けしておりますことを、深くお詫び申し上げます。当社は、本件を真摯に受け止め、各関係官庁指導の下、法令遵守を徹底し再発防止策を全社で取組み、安心で安全な航路運営に努めてまいります」などと謝罪するコメントを発表した。
(藤原秀行)