シマダヤ、栗林商船グループと組み仙台~大阪間で冷凍麺輸送の一部を内航海運にモーダルシフト

シマダヤ、栗林商船グループと組み仙台~大阪間で冷凍麺輸送の一部を内航海運にモーダルシフト

RORO船活用、ドライバーの拘束時間短縮や温室効果ガス削減で成果

栗林商船は4月22日、グループで陸上輸送を手掛ける栗林運輸が、麺製品大手のシマダヤの商品輸送に関し、RORO船を活用したモーダルシフトを始めたと発表した。

シマダヤから冷凍麺輸送の依頼を受け、栗林運輸が従来、宮城県内のシマダヤ工場から大阪府内の倉庫まで全行程をトラックで陸送していたルートに関し、仙台港から大阪港までRORO船に一部切り替えた。

 
 

シマダヤは東北地方に主力工場があり、仙台港を使う必要がある。内航フェリーの状況を調査した結果、栗林商船グループは仙台~大阪間の航路の取り扱いがある唯一のRORO船事業者で、特に長距離輸送を検討していきたいというシマダヤの狙いと合致したことから、2023年7月のトライアル輸送を経て、24年3月より輸送を本格的に開始した。

輸送リードタイムは5日間、車種は13m冷凍コンテナシャーシを活用した。

トラック輸送から海上輸送への転換により、月間4.64t、割合にして74%のCO2排出量削減に成功しているという。

また、海上輸送を含む複合輸送へのモーダルシフトにより、全区間で陸上輸送を行う従来の輸送計画に比べ、陸上輸送区間の所要時間が11時間から3時間まで8時間短縮、ドライバーの拘束時間削減でも成果を上げている。

栗林運輸がトレーラーでの輸送が可能なため、1回の輸送における積載量の増加をにらんでおり、シマダヤのトラックでのばら積みからパレットを利用したトレーラー輸送への移行の進展によって、より大きな効果が得られるとみている。

一方、シマダヤは今後工場からの長距離幹線便はますます確保しづらくなることが見込まれるため、モーダルシフトによる冷凍食品輸送を積極的に活用していきたい考え。

 
 

(藤原秀行)※いずれも栗林商船提供

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