年間数億円の輸送コスト削減見込む
出光興産とAI関連のスタートアップ、エクサウィザーズの両社は6月6日、海外から原油を輸送するために外国航路を航行する原油外航船の配船計画立案の業務効率化のため、数理最適化を組み入れたシステムを共同で開発したと発表した。
両社は新システムの採用で原油輸送コストを最小化した配船計画を短時間で立案できるようになると見込む。
システムの概要(出光とエクサウィザーズ提供)
原油輸送に用いる外航船の配船計画を立案する際、原油処理計画や原油タンク在庫、原油の性質といった製油所のニーズに加え、港や船などの細かな制約条件も考慮する必要があり、従来は熟練した担当者が複雑な条件を加味しながら原油輸送コストを抑えた配船計画を立案していた。
ただ、膨大な時間を要していたため、新システムの開発にこぎ着けた。配船担当者はシステムが立案した配船計画を確認し、必要に応じて微修正を行うだけで、効率的に原油輸送コストを最小化した配船計画を作成することが可能という。
導入に際して行った実証試験では、新システムの活用により配船計画立案の作業時間を最大40%削減できたという。併せて、寄港数の削減などにより、年間で数億円規模の原油輸送コスト削減を見込んでいる。今後は機能の強化により、一層効率化を図る。
(藤原秀行)