ANAHDの日本貨物航空買収が8度目の延期、当初予定から2年近く遅れ

ANAHDの日本貨物航空買収が8度目の延期、当初予定から2年近く遅れ

8月1日予定、「中国の関係当局審査に時間」と従来説明繰り返し

ANAホールディングス(HD)と日本郵船は6月25日、ANAHDが日本郵船傘下で航空貨物輸送を展開している日本貨物航空(NCA)を株式交換で買収する時期について、公表していた今年7月1日から8月1日に1カ月間、先送りすると発表した。

ANAHDは最初、NCAを2023年10月1日付で子会社化する計画だったが、既に買収時期を6回変えていた。延期は8度目で、既に当初の想定から2年近く遅れている。
 
ANAHDと日本郵船は「中国の関係当局による企業結合審査の完了までに要する時間などを勘案した」とこれまでの説明を繰り返した。株式交換実施の方針自体に変更はないという。
 
NCAは2010年に日本郵船の完全子会社となったが、運航・整備体制拡充のための機材更新や人員育成に多大なコストを要することなどが課題となっていた。
 
中核の海運事業に経営資源を集中させたい日本郵船と、航空貨物事業を強化したいANAHDの思惑が一致した。
 
(藤原秀行)

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