日本の「レベル4」飛行に相当、都市部上空を目視外で
エアロネクストは6月27日、モンゴルで事業展開する上でパートナー関係にある現地の投資会社Newcom Group(ニューカムグループ)子会社のMongolian Smart Drone Delivery (モンゴリアン・スマート・ドローン・デリバリー、MSDD)、モンゴル郵便の両社と共同で、6月16~18日にかけて、ウランバートル市内で初のドローン配送試験運航を実施、成功したと発表した。
モンゴル郵便のウランバートル市内の支店まで(片道3.58km)4.5~4.8kgの郵便物を約7分で空輸した。日本の「レベル4(有人地帯における補助者なし目視外飛行)」に相当する第三者上空における自動航行による飛行を果たした。
郵便物のドローン配送の離陸準備をするMSDDとエアロネクスト子会社NEXT DELIVERYの運航スタッフ
郵便物が入った専用箱をセットするスタッフ
郵便物を載せウランバートル市内を飛行するドローン
郵便物を載せモンゴル郵便支店に着陸するドローン
郵便物を載せた専用箱を切り離し置き配するドローン
ドローン配送された郵便物を確認するモンゴル郵便のスタッフ
エアロネクストとNewcom Groupは2023年11月、モンゴルでドローン物流サービスを事業化するために連携することで基本合意。その後、ドローンによる医療定期配送網構築に向けて活動を続けてきた。
エアロネクスト子会社でドローン物流を手掛けるNEXT DELIVERYの経験豊富な運航チームが指導する中、MSDDの運航チームは日本とモンゴル現地でトレーニングを重ね、共同でモンゴルにおける運航体制を構築してきた。MSDDは24年6月にモンゴル国民間航空庁(MCAA)からモンゴル国内で初となるドローンの商用飛行ライセンスを取得し、同年8月から、ウランバートル市内の国立輸血センターから3カ所の病院(日本モンゴル病院、アムガラン病院、国立母子保健センター)への血液のドローン配送の実運用をスタートさせた。
24年にはモンゴル国内の医療機関向けに血液および血液製剤の配送を50回以上実施し、25年は5月から定常的な運航を開始。計90回、成功裏に実施できているという。
(藤原秀行)※いずれもエアロネクスト提供