温室効果ガス排出3割削減見込む
商船三井は6月27日、北陸電力向けに運航している、火力発電用石炭の輸送を担うばら積み貨物船「HOKULINK」(ほくリンク)に関し、6月26日に韓国・麗水港で補油を実施し、バイオ燃料を使用する試験航行を開始したと発表した。
韓国・麗水港でのバイオ燃料補油作業の様子
今回使用するバイオ燃料は、欧州連合(EU)によるバイオ燃料やバイオマスなどの持続可能性を証明するための認証制度「ISCC-EU認証」を取得。廃食油など生物由来の有機性資源(バイオマス)を30%の割合でブレンドした混合油(B30)で、従来の化石燃料と比べ航行時に生みだすCO2を船上排出ベースで約30%削減する効果を想定している。
商船三井によれば、国内の電力会社がB30を使用した試験航行に踏み切るのは初めてという。
バイオ燃料は、船舶の既存のディーゼルエンジンの仕様を改造しなくてもそのまま使用できるため、化石燃料に代わる有効な代替燃料として温室効果ガス排出量の削減につなげられると見込む。
「HOKULINK」の全景
今回の航海で生み出した温室効果ガス排出削減の経済価値は、今後証書として取引できるようにする予定。
【本船概要】
船名: HOKULINK
全長: 234.96m
全幅: 38m
型深: 20.05m
積貨重量: 89,999 MT
(藤原秀行)※いずれも商船三井提供