三菱総研が食品安全管理規格「HACCP」の運用支援システム提供へ

三菱総研が食品安全管理規格「HACCP」の運用支援システム提供へ

食品事業者向けに国際レベルの標準化対応と競争力強化を後押し

三菱総合研究所(MRI)は7月29日、ITシステムを手掛けるアイネス(東京・千代田区)と共同でインターネットを介して利用できる食品安全マネジメントシステム「HACCP」の導入・運用支援サービスを2020年から提供を開始すると発表した。

食品事業者を対象に「ハザード・データベース」「文書作成支援システム」「モニタリング記録システム」の機能を持つクラウド型サービス「HACCPナビ」を20年初から6月にかけて順次リリースする。

その後も継続的にAI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)を活用した機能の拡充を図る予定だ。MRIはサービス名を商標として登録申請しているほか、同サービスに関連した特許を出願中。

食品サプライチェーンの国際化・複雑化によって、食中毒や異物混入など食品事故のリスクが増大。日本でも食品に対する安全・安心の要求が非常に高まっている。18年6月に公布された改正食品衛生法では、原則として全ての食品事業者らへHACCPに沿った衛生管理の取り組みを求めている。

MRIが経済産業省「平成28年経済センサス」から算出した対象事業所は約3万カ所に上る一方、導入・運用には微生物管理など科学的知見が必要で事業者に大きな負担が掛かることも予想される。

概要・特徴は
▽ハザード・データベース(HACCP導入・運用に必要な科学的知見をまとめたデータベースを提供)
▽文書作成支援機能(HACCPや食品安全マネジメント規格が要求する文書や図表を、科学的根拠も示しながら効率的かつ効果的に作成することを支援)
▽モニタリング記録支援機能(スマートフォンなどを用いてHACCPの運用記録を蓄積できる機能を提供)――。
同サービスを通じてユーザーの効率的・効果的な安全管理を支援するとともに、日本の食品事業者らの国際標準化対応と国際競争力強化を後押ししていく考え。

(鳥羽俊一)

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