審査長引き実施時期を8度延長、8月1日付で完全子会社化へ
ANAホールディングス(HD)は7月1日、日本郵船子会社の日本貨物航空(NCA)買収に関し、中国当局から条件付きで認可を得たと発表した。
ANAHDは認可を受け、株式交換によりNCAの全株を8月1日付で取得、完全子会社化する。
中国当局は条件として、ANAの貨物便が使用している成田~中国・上海浦東路線で新規参入企業が要望した場合に発着枠を1日1往復分譲渡することなどを求めている。
ANAHDは2023年3月、NCAの買収を発表。当初は23年10月1日付で子会社化することを想定していたが、中国当局の審査が長引き、買収完了予定の時期を8回延期していた。当初の計画から2年近く遅れての実現となる。
NCAは2010年に日本郵船の完全子会社となったが、運航・整備体制拡充のための機材更新や人員育成に多大なコストを要することなどが課題となっていた。
中核の海運事業に経営資源を集中させたい日本郵船と、航空貨物事業を強化したいANAHDの思惑が一致した。
(藤原秀行)