結び付き強化し食品卸の取引拡大や配送事業強化など図る
三菱商事は7月9日、傘下の食品卸大手、三菱食品に実施したTOB(株式公開買い付け)が成立したと発表した。
買い付け予定数の下限を上回る1702万5621株の応募があった。三菱商事の三菱食品株式保有比率は50.11%から89.22%まで上昇する。
TOBは5月9日に開始。当初は6月19日までの予定だったが、7月9日まで延長していた。
三菱商事はTOB開始を開示した際、9月ごろをめどに完全子会社化を目指す方針を表明していた。今後、少数株主からの強制取得(スクイーズアウト)などの手続きを経て完全子会社化を図る。
三菱食品は東京証券取引所スタンダード市場への上場が廃止となる。
食品卸業界は人手不足や物流コスト高騰などの難題に直面しており、三菱商事が完全子会社化して結び付きを強め、小売業との取引を拡大するとともに、食品関連の物流ノウハウを生かした配送事業の強化などを進めていきたい考え。
(藤原秀行)