CRE調査で空室率2%台に低下
シーアールイー(CRE)は7月16日、賃貸倉庫の市場動向を分析した「倉庫・物流不動産 マーケットレポート(β版) Ver.201906」を取りまとめた。
今年6月末の賃貸大型倉庫(1万平方メートル以上、BTS型含む)は首都圏で空室率が前期(19年1~3月)末から0・94ポイント下がって2・44%となった。総需要が20万坪弱と3四半期続けて高い水準をキープしたことが空室率低下につながったようだ。
CREは「神奈川湾岸エリアの約9万坪の大型物件が満床稼働を迎え、千葉東葛エリアは大型物件の需要を継続的に吸収している。また、空室率が5%未満のエリアでは成約賃料の上昇傾向が確認されている」と分析した。
今後については「19年後半は前半と同水準の供給が予定されている。現在の内定率は約30%にとどまるが、好調な需要に支えられ今後も低い空室率で推移する」との見方を示した。
関西圏の空室率は前期から1・09ポイント低下し6・09%。旺盛な需要でスペースの消化が進み、16年第2四半期(4~6月)を下回る最低値を更新した。
CREは「神戸内陸エリアで空室率が急上昇しているが、テナントは一部内定している。また、19年後半に新規供給される物件は全て内定しているとの情報もあり、空室率は一段と低下するものと思われる」と展望した。
ただ、20年に大型物件の供給が予定されていることを受け、依然予断を許さない状況と強調した。
中部圏は19年に今後2万坪の新規供給予定
中部圏の空室率は1・75ポイント上昇し7・40%となった。名古屋の南エリアは4四半期続けて空室率が下がった半面、名古屋北エリアで5四半期ぶりに新規供給があったことが全体の空室率を押し上げたもようだ。
先行きに対しては「19年は今後約2万坪の新規供給が予定されているが、現時点で内定率100%の情報も確認されていることから、既存物件の消化も進み、空室率は良化傾向に向かう」と予測した。
九州圏は2・34ポイント低下し0・00%と需要の活発さを物語っている。CREは「20年第2四半期までは新規供給がなく、この基調はしばらく続くものと推察される」とみている。
1000坪未満(同社管理分のみ)の賃貸中小型倉庫は、空室率は前期から横ばいの1・19%だった。CREは「依然中小型倉庫へのテナントニーズは高い一方、新規供給は僅少であり、しばらくは今後も1~3%のレンジで推移していく」と推察した。
(藤原秀行)
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