エアロネクスト、モンゴル初のドローンによるフードデリバリーに成功

エアロネクスト、モンゴル初のドローンによるフードデリバリーに成功

高低差200mのルート、血液や郵便物に続き達成

エアロネクストは8月15日、モンゴルで事業展開する上でパートナー関係にある現地の投資会社Newcom Group(ニューカムグループ)子会社のMongolian Smart Drone Delivery (モンゴリアン・スマート・ドローン・デリバリー、MSDD)が、モンゴル国内最大手のフードデリバリー事業者Tok Tok(トック・トック)と連携し、ドローンによるフードデリバリーの試験飛行を7月25日に実施、成功したと発表した。

エアロネクストによると、モンゴル国内でドローンを活用したフードデリバリーは初めてという。

試験飛行はウランバートル市内のウランバートル市役所支所の駐車場からNewcom Groupが所有するウランバートル郊外の研修・保養施設「サマーハウス」までの片道約16.5km、高低差200mのルートを、自動航行で料理を届けた。飛行時間は往復で46分だった。

日本の「レベル4飛行(有人地帯における補助者なし目視外飛行)」に相当する第三者上空における自動航行で、る高度な飛行を実現した。


フードを載せウランバートル市内から郊外のサマーハウスに向け飛行するPF4


ドローンで届いた出来立ての料理を食する様子とTokTokラッピングのPF4専用箱(サマーハウス前の広場)

エアロネクストはこれまでにも、ウランバートル市内で血液製剤や郵便物のドローン配送に成功しており、より利用シーンを広げていくことを目指す。

血液と血液製剤の配送はモンゴル国内の医療機関向けに2024年は50回以上を実施。25年5月には定常運航をスタートし、8月1日までに合計180回の飛行を成し遂げたという。245人の患者に血液および血液製剤を届け、そのうち168例は緊急対応の輸送で4人の患者は特殊な型の血液が必要という重要な輸送だった。

今回は離陸地点と着陸地点の高低差が約200mに及ぶ地形で、エアロネクスト傘下でドローン物流を担うNEXT DELIVERYの経験豊富な運航部のノウハウを活かし、河川上空を飛行ルートに設定することで安全性を確保。都市部における渋滞回避や、道路が未整備な地域へのアプローチなど、ドローン配送の実用性を証明できたとみている。

試験飛行の実施は経済産業省の令和5年度(2023年度)補正「グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金」で採択されたプロジェクトの一環として実施している。

(藤原秀行)※いずれもエアロネクスト提供

テクノロジー/製品カテゴリの最新記事