FCEV、商用車から導入拡大をあらためて表明

FCEV、商用車から導入拡大をあらためて表明

トヨタ・佐藤社長ら新経営陣、今後の事業方針を説明

トヨタ自動車の佐藤佐藤恒治社長は4月7日、東京都内で記者会見し、新たな経営体制が4月1日付で発足したのに伴い、今後の事業方針を説明した。

佐藤社長は「クルマのライフサイクル全体で2050年カーボンニュートラルの実現に全力で取り組んでいく。まずは今すぐにできる電動化を、徹底的にやっていく。足元から着実にCO2を減らすために、プラクティカルに電動車の普及を進める」との考えを表明。

EV(電気自動車)に関し、2026年までに10モデルを新たに市場へ投入し、世界販売を年間150万台まで引き上げることを目指す方針を明らかにした。

25年には米国でEVの現地生産をスタートする計画も公表。EVへの取り組みを深化させることを宣言した格好だ。

併せて、FCEV(水素燃料電池自動車)や水素エンジン車なども並行してラインアップの充実に取り組む従来方針は堅持する姿勢を強調した。


会見に臨んだ佐藤社長

会見に同席した中嶋裕樹副社長も「われわれはマルチパスウェイの軸を決してぶらさない。それぞれの強みや特色を生かし、お客様や地域に合わせた電動化を進めていく」と明言。

FCEVに関し「エネルギー充填時間が短いといった利点を生かせる中型、大型トラックのような商用車から、事業者の方々とともに(導入を)広げていく」との見解をあらためて語った。大型商用車向け水素エンジンの基礎研究を2022年に始めたことにも言及した。

また、トヨタなどが出資している米ベンチャーのジョビー・アビエーションを通じ、「空飛ぶクルマ」の実用化へ引き続き取り組むことにあらためて言及した。

宮崎洋一副社長は「柔軟な発想とチャレンジ精神で積極的に行動を起こしていくことを実践しながら、さらに深く、地域に受け入れていただける会社に成長していきたい」と強調。

アジアなどの新興国で年内にバッテリーEVピックアップトラックの現地生産を開始するほか、小型バッテリーEVモデルも市場投入していく方針を表明した。

佐藤社長と中嶋、宮崎の両副社長は4月1日付で就任した。


会見後の撮影に応じる(左から)宮崎副社長、佐藤社長、中嶋副社長

(藤原秀行)

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