整備現場などの安全性確保、着心地の良さも実現
三菱ふそうトラック・バスは9月16日、ミドリ安全、日本ゴアの両社と共同で、電気自動車（EV）関連業務専用の作業服「ARCTECT GEAR for EV」（アーキテクト・ギア・フォー・EV）を開発したと発表した。三菱ふそうは世界で初めてと説明している。
整備や試験、組み立てといったEV関連の多様な業務で活用可能という。EVの普及に対応し、整備現場の安全確保を後押しするとともに、日常の作業性の良さと両立することを狙う。
三菱ふそうは2026年に新製品を複数の海外サービス拠点でメカニック向けに導入する計画。ミドリ安全は同様の機能を持った製品を26年夏、法人向けに販売開始する予定。
ARCTECT GEAR for EV
三菱ふそうは、同社のEVトラック「eCanter」を含め、EVの通常の運用時の安全性は認証や試験などで保証されているため、今回の製品を使う必要はなく、整備や車両試験など、通常の運用よりも車両機構の深部に触れる可能性のある業務を主題にしていると強調している。
新たな作業服はアーク熱に対する防護性、軽量性、透湿性を特徴とする日本ゴアの「PYRAD ファブリクス by GORE-TEXLABS」を生地に採用。トレーニングウェアのような着心地と、現場から求められる作業性を並立している。
さらに、ミドリ安全が70年以上にわたって多様な安全衛生保護具を開発し続けてきた知見を活かし、日本ゴアとの共同検討によって、作業性を削ぐことなく高電圧作業環境での安全性を確保することに成功した。
最大1500VDC（直流電圧）および1000VAC（交流電圧）までを取り扱う作業環境で必要とされるIEC/EN 61482-2など、アーク熱防護性を含む複数の国際規格の認証を取得済み。
ARCTECT GEAR for EV のプルゾン（左）とパンツ（いずれもプレスリリースより引用）
（藤原秀行）
