大日本塗料、「2024年問題」対応へ鈴与カーゴネットと組み栃木~大阪間で中継輸送開始

大日本塗料、「2024年問題」対応へ鈴与カーゴネットと組み栃木~大阪間で中継輸送開始

ドライバーが日帰り可能に、CO2排出も38%減見込む

大日本塗料は9月25日、鈴与グループの鈴与カーゴネットと連携し、「物流2024年問題」やトラックドライバー不足に対応するため、長距離輸送ルートに関し、8月5日に中継輸送を導入したと発表した。

静岡県に本社を置く鈴与カーゴネットと組み、従来は栃木~大阪間を通しで運行していた輸送について、鈴与カーゴネットの静岡・名古屋などの拠点を中継地点として活用する。幹線の分担と拠点活用による運行の最適化を図り、ドライバーの労働環境・輸送効率・環境負荷の各方面で具体的な効果の創出を目指す。



大日本塗料の生産・物流拠点は栃木県や大阪府をはじめ、東西に離れて位置しているため、従来の長距離輸送ルートでは、法定の労働時間や休憩を確保すると、1日で業務を終えるのが困難だった。

鈴与カーゴネットと運送ルートを共有し、中継拠点で荷物を引き継ぐ輸送を導入したことで、栃木~大阪間の輸送もドライバーが日帰りで運行できる体制を実現。無理のない勤務時間を確保し、ドライバーの働きやすい環境づくりに貢献できているとみている。

従来は10tトラックを用いて塗料を輸送していたが、運転席部分と荷台が一体となっているため、中継輸送を行う際にはドライバーが荷物の積み替えを行う必要があり、時間や手間を要していた。

そこで、20tトレーラー(運転席部分と荷台が分離可能な分離型)を使用し、荷台を切り離せる体制に移行。中継拠点でドライバーが交代する際も荷物の積み下ろしが不要となり、交代の待ち時間や積み替え作業が大幅に削減できると考えている。

20tトレーラーを使うことで1回当たりの輸送量が2倍になり、輸送効率も大きく向上すると計画している。

CO2排出量についても、同じ荷物量を従来の体制で栃木県から大阪府へ10tトラックで配送した場合、1310kgに上っていたが、今後は809kgまで約38%減らせると見積もっている。



(藤原秀行)※いずれも大日本塗料提供

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