川崎汽船グループ、ノルウェーでCO2の地下貯留プロジェクトに参加

川崎汽船グループ、ノルウェーでCO2の地下貯留プロジェクトに参加

安定的でコスト効率高い輸送サービスの提供など目指す

川崎汽船は9月8日、英子会社の”K” LINE ENERGY SHIPPING (UK) (KLES)が、英石油・ガス会社Harbour Energy(ハーバー・エナジー)のノルウェー法人Harbour Energy NorgeとマレーシアのYinson Production(インソン・プロダクション)子会社のStella Marisが共同出資しているHavstjerne(ハーヴステン)と、ノルウェー大陸棚でCO2を貯留するプロジェクトを共同で展開すると発表した。

プロジェクトは脱炭素の試みとして、ノルウェーのエーゲルスンから南西約100kmのノルウェー海域に位置する貯留地(Havstjerne)にCO2を貯留することを目指しており、同貯留地の権益をHarbour Energyが60%、Stella Marisが40%を保有している。



KLESとハーブステンは浮体式液化CO2貯蔵・圧入ユニット(FSIU)と液化CO2輸送船を用いたCCSのバリューチェーン構築へ協業。液化CO2輸送、圧入、地下貯留に関するそれぞれの専門知識を活用して、プロジェクトのバリューチェーンに参加する排出事業者に安定的かつコスト効率の高い液化CO2輸送および貯留サービスを提供することを目指す。

ハーバー・エナジーは2014年設立の大手独立系石油ガス会社で、ノルウェー、英国など世界各国で石油換算日量45万バレル以上を生産。欧州地域で複数のCCSプロジェクトを積極的に推進している。

インソンは浮体式石油・ガス生産貯蔵積出設備(FPSO)および浮体式石油・ガス貯蔵積出設備(FSO)の運営を手掛け、オフショアエネルギー分野におけるエンジニアリング、設計、運用において幅広い専門知識を有している。同社は21年以来、CO2回収技術への直接投資を通じたCCSバリューチェーン開発を着実に推進してきた。

川崎汽船グループは世界初の本格的なCCSプロジェクトに従事する液化CO2輸送船2隻の船舶管理を行っており、プロジェクト参加でCCS事業を積極的に推し進めていくことを目指す。


FSIU(前方)が、液化CO2輸送船(後方)からCO2を受け取るイメージ(プレスリリースより引用)

(藤原秀行)

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