山善など製造・物流業界と協業開始、10社体制目標
ヒューマノイドロボット(人間型ロボット)の開発支援を手掛けるINSOL-HIGH(インソールハイ)は10月1日、日本で初めて、製造・物流業界の大手企業との業界横断コンソーシアム「ヒューマノイドロボット・フィジカルデータ生成センター」構築プロジェクトを正式にスタートさせたと発表した。
ヒューマノイドロボット専用のフィジカルデータ(学習データ)生成センターを2026年春ごろに立ち上げ、最大50台のヒューマノイドロボットが同時稼働する大規模なトレーニング環境を実現することを想定している。
既に製造・物流関連の大手企業各社と協業体制を構築済みで、このうち山善が社名を公表している。現在、目標10社体制の実現に向け、複数の企業との契約交渉を並行して進めており、新規参画企業も積極的に募集している。
ヒューマノイドロボット・フィジカルデータ生成センターのイメージ
INSOL-HIGHが展開しているヒューマノイドロボット導入支援システム「REAaL」(リアル)は、ヒューマノイドロボットのタスク設計・学習・実装までを一気通貫で支援し、複数企業で協業することで継続的な性能向上を図っている。
ヒューマノイドロボットを実用化する上で不可欠な、実際の作業現場を模した環境で継続的に実施したトレーニングを通じて大量の学習データを収集、作業に習熟させることを新たなセンターが担う。製造や物流などの現場を想定してヒューマノイドロボットをトレーニングし、フィジカルデータを蓄積・活用して、実用化につなげていきたい考え。
INSOL-HIGHが目指す「フィジカルデータ生成センター」イメージ
トレーニングは最初の段階として、ピッキング、搬送、組み立てなど産業で汎用的な動作を習得し、次に各産業に特化した専門動作の習得に移行していくことを想定している。その先に、個社ごとにカスタマイズしていく予定。
(藤原秀行)※いずれもINSOL-HIGH提供