オリックス、海運業や造船業の事業承継支援を本格化

オリックス、海運業や造船業の事業承継支援を本格化

第1弾は国内船主のフェアフィールドシッピング

オリックスは10月21日、海運業や造船業に特化した事業承継支援を本格的に始めると発表した。

第1弾として、国内船主のフェアフィールドシッピング(東京都中央区日本橋茅場町)の事業承継をサポートした。



同社は船舶リースで蓄積してきたノウハウや構築している全国の顧客企業ネットワークを生かし、海事産業の人手不足解消を後押しすることを目指す。

フェアフィールドシッピングは1974年設立の外航船保有・運航管理企業。代表者の「中長期的な事業継続と従業員の雇用確保」という意向を受け、オリックスが調整を手掛け、同社の保有船と従業員をオリックスの取引先企業が承継した。船舶の一部はオリックスグループの三徳船舶が引き受けた。

今後は海事産業向けの事業承継支援を専門に担う人員を配置し、オリックスによる株式の取得に加えて、第三者への資産・株式譲渡の仲介、コンサルティングおよびアドバイザリーなど、顧客の状況に応じた最適な承継を実現できるようにする。

オリックスは1960年代後半に国内で中古船リースの取り扱いを開始して以来、船舶の保有・運航事業、売買・仲介、国際的な船舶ファイナンス事業を展開。2024年には事業承継を目的に三徳船舶の全株式を取得し、25年にも双日の船舶トレーディング事業の会社分割で立ち上げられたソメックの株式を取得した。

M&Aを活用した事業拡大に取り組むとともに、船舶関連事業の多角化と海事関連業界を横断する取引ネットワークの拡充に注力している。

(藤原秀行)

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