公取委、製品の瑕疵主張し委託先に返品した東洋電装に下請法違反で再発防止勧告

公取委、製品の瑕疵主張し委託先に返品した東洋電装に下請法違反で再発防止勧告

金型の無償保管や回収費用負担も

公正取引委員会は12月24日、自動車・二輪車部品メーカーの東洋電装(東京都港区新橋)が委託先に全数検査で合格とした製品に瑕疵があるとの理由で返品したり、製造に必要な金型を長期間無償で保管させたりしていたのは、下請法で定める「返品の禁止」や「不当な経済上の利益の提供要請禁止」に抵触するとして、同社に再発防止を勧告した。

公取委によると、東洋電装は2023年12月~25年4月の間、委託先からの製品について、受入検査を実施していないのに瑕疵があると主張するなどして、引き取らせていた。一部の委託先には返品時の送料を負担させていた。



返品した製品の下請け代金相当額と送料は27社で合計約563万円に上った。

同社はまた、委託先57社に対し、遅くとも23年12月以降、製品発注を長期間行っていないにもかかわらず金型など907個を無償で保管させていた。さらに、金型を回収する際も委託先16社に、合計221個の回収に要する費用を負担させていた。

同社は公取委の指摘を受け、今年11月までに返品した製品の下請け代金相当額と送料を支払った。

同社は12月24日、「取引先様をはじめとする関係者の皆様には、ご迷惑、ご心配をおかけしましたことを心より深くお詫び申し上げます。本勧告において求められた処置を速やかに実行し、再発防止に努めてまいります」と謝罪するコメントを発表した。金型の保管・回収費用についても支払いを進めると説明している。

(藤原秀行)

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