3~5年で全体に2000億円投資
日本GLPは2025年12月10日、東京都内の本社で記者会見し、冷凍・冷蔵物流施設の開発方針を説明した。
同社の担当者は、最近注力している、事前に入居企業を1社に絞り込まないマルチテナント型の冷凍・冷蔵物流施設に関し、開発のハードルはドライの物流施設より高いものの、需要が今後も見込めると分析。今後3~5年間でマルチ型を含む冷凍・冷蔵物流施設全体に2000億円を投じていく方針をあらためて示し、マルチ型の開発にも引き続き注力する意向を見せた。
同時に、建築費の高騰が逆風になっていることも認め、建設会社との連携強化などで乗り切っていくことを目指す姿勢をアピールした。
会見に登場した日本GLP営業開発部営業推進グループの伊藤晋シニアマネージャーは、冷凍・冷蔵物流施設の開発計画について「順調に進んでいる」と強調。23年の実績から同社が関わる冷凍・冷蔵の倉庫面積は約2倍の13万坪まで広がることを想定している点に言及した。
同社が日本で手掛けてきたドライの物流施設は約20年を要して「所有から賃貸へ」の認識が定着してきたと振り返った上で、「冷蔵倉庫は本格参入から8年程度で市場が立ち上がっている。予想よりも(賃貸型の)普及が速く進む可能性がある」と期待を見せた。
同社営業開発部の草原洵也シニアマネージャーは「施設の大規模化や自動化の需要があるのではないか」と展望。同社として賃貸冷凍・冷蔵物流施設を供給することで建て替えニーズをカバーしていくことに意欲を見せた。
その一方、同社が開発する冷凍・冷蔵物流施設は従来の冷凍・冷蔵倉庫より規模が大きいため、対応できる建設会社が限られる上、冷媒の設備や断熱材などを担う設備会社も不足していることがネックになっていると解説。
建築費高騰に対しては、建築と設備を分離して別の企業に発注することなどで、経費を押さえていきたいとの姿勢を見せた。
同席したみずほ銀行産業調査部次世代インフラ・サービス室社会インフラチームの南勇希アナリストは、コールドチェーンの物流動向について解説した。冷凍・冷蔵倉庫は必要な温度帯などに関して利用企業のニーズがそれぞれ異なるため、自前で開発する意識が強い一方、デベロッパーは投資金額が巨額でドライ倉庫より賃料が高めになるのがネックになると分析。その上で「コールドチェーンの事業者とデベロッパーが互いに抱えている課題をすり合わせ、所有と運営の分離ができればマルチテナント型の利用が広がるのではないか」と予想した。
(藤原秀行)










