より調達容易に、30年代の商用化目指す
IHIは1月⑨日、CO2と水素を原料に用いて、環境負荷の低い航空燃料SAFを合成することに成功したと発表した。
合成したSAFは、世界的な航空燃料評価機関の米ワシントン州立大学に評価を依頼、航空機用代替ジェット燃料として良好な特性を有していることが確認されたという。
現在、SAFは廃食用油などから製造するのが一般的だ。IHIはCO2と水素を活用する合成手法を2030年代に商用化し、よりSAFを調達しやすくすることを目指す。

CO2と水素から合成した液体炭化水素(左)、改質後の航空燃料サンプル(右)(プレスリリースより引用)
IHIは2022年、シンガポール科学技術研究庁傘下の研究機関ISCE(Institute of Sustainability for Chemicals, Energy and Environment)と共同で、CO2と水素からSAFの原料となる液体炭化水素を直接合成する触媒の開発を開始。これまでのラボ試験で触媒が世界トップレベルの性能に達していることを確認済みという。
25年9月にはIHIがISCE2内に設置した試験装置を使い、この触媒で液体炭化水素の合成試験を実施。その結果得た液体炭化水素に改質処理を施したサンプルは、ワシントン州立大学で特性評価をした結果、航空機用代替ジェット燃料として優れた特性との評価を得た。
IHIが合成したSAFが、飛行中の寒冷環境での運用に必要な基準を十分に満たし、燃料の密度や燃費特性においても優れていることを示していると指摘。CO2と水素を炭化水素に直接変換する新合成法の商用化に向け、国際的なASTM認証取得の重要な一歩になったとみている。
国際民間航空機関(ICAO)は、2050年までに航空機のCO2排出を実質ゼロにする長期目標を掲げており、石油由来の航空燃料の多くがSAFに置き換わることが期待されている。IHIは将来のニーズ拡大に備えたい考えだ。
(藤原秀行)











