国交省が審議会でビジョンの骨子案を提示
国土交通省は11月1日、東京・霞が関の国土交通省内で、社会資本整備審議会 道路分科会の基本政策部会(部会長・石田東生筑波大名誉教授・特命教授)を開催した。
国交省は、道路関連政策に関して新たに作成するビジョンの骨子案を提示。災害の頻発や高度経済成長期に建てられた橋梁などインフラの老朽化を克服した安全社会などを目指すべき社会像として掲げている。
その上で、実現に向けた提案として、道路の計画や整備、運用などの諸データをデジタル化することや、ビッグデータの活用と新技術導入を積極的に進めることなどを打ち出している。
国交省は2019年中にビジョンを取りまとめたい考えだ。
自動運転による車線幅員縮小、路外駐車場の削減も
骨子案はビジョンの目的として「おおむね20年後の将来を見据えつつ、人や社会と道路の関係をあらためて見直し、道路政策を通じて実現を目指す社会像、その実現に向けた中長期的な政策の方向性を提案」と設定。
目指すべき社会像と道路政策の方向性としては、
- 国土の災害脆弱性とインフラ老朽化を克服した安全社会
- 人とモノが活発に移動し、高齢者・子ども・障害者を含む全ての人が交流・活躍する社会
- 世界と人やモノが行き交う社会
――を列挙。
そのために、
- 道路行政(調査・計画・整備・運用・維持管理)のデジタル化
- ビッグデータの活用と新技術の導入
- 国民の共感・支持を得る道路行政
- 実現のための方策(体制・予算など)
――を提案することを示している。
個々の政策としては、
- 道路の多車線化と多重化
- 防災路肩と緊急入退室路の整備
- 堤防と幹線道路の一体整備
- トラック隊列走行システム
- 「コネクテッドカー」マネジメント(車両別情報提供など)
- 自動運転による車線幅員縮小、路外駐車場の削減
- 「次世代交差点」の実現
――といった方向性を打ち出している。
(藤原秀行)