資金繰り支援、日本政策金融公庫など通じ
政府は3月7日、首相官邸で新型コロナウイルス感染症対策本部の会合を開いた。安倍晋三首相は、感染拡大の影響を受けて売り上げが急減している中小・小規模事業者の資金繰りを支援するため、日本政策金融公庫などを通じて実質的に無利子、無担保で融資する特別貸付制度を創設する方針を示した。
安倍首相は「大変厳しい状況に置かれている全国の中小・小規模事業者にしっかりと事業を継続してもらえるよう、資金繰りについてはこれまでの前例に捉われず、強力な支援策を講じる」と強調。制度の対象に個人事業主も含める考えを示した。
政府は2月に決定した新型コロナウイルスの感染拡大対策として、資金繰りが悪化した中小企業向けに5000億円の貸付・保証枠を設ける方針を打ち出しており、対策をさらに拡充する。安倍首相は今月10日をめどに対策の第2弾を取りまとめるため、各省庁に検討を急ぐよう指示した。
併せて、金融庁に対し、資金繰りの悪化している融資先企業にどう対応しているかを民間金融機関に報告させるよう求め、貸し渋りなどの動きをけん制。学校の臨時休校で休職を強いられた保護者の給与を国費で補填することなども表明した。
資金繰り対策などを指示する安倍首相
対策本部の会合に出席した閣僚ら(いずれも首相官邸ホームページより引用)
(藤原秀行)