【独自取材】プロロジス・山田社長、物流業務効率化コンサル展開に意欲

【独自取材】プロロジス・山田社長、物流業務効率化コンサル展開に意欲

有力デベロッパーのキーパーソンが語る展望と戦略①

 先進的物流施設開発を手掛ける主要プレーヤー6社の経営幹部や担当者がこのほど、当社のインタビューに相次ぎ応じた。

 各社とも首都圏を中心とした新規物件の大量供給継続に伴う競争激化を受け、自社の物件に入居するテナント企業の省力化投資支援など、差別化のため新たな領域に挑む方針を示した。

 6人の発言内容を連続して紹介する。

 第1回はプロロジスの山田御酒社長が登場する(月刊ロジスティクス・ビジネス2018年10月号掲載インタビュー記事を再構成の上、掲載した。詳細は同誌を参照)。

市場は新たな価値創出求められる「第4ステージ」に

 山田社長は賃貸型物流施設市場をめぐり、現在は施設を貸すこと以外に新たな価値の創出・提供が求められる「第4ステージ」にあると分析。

 「非常に重要な変化だ」との見方を示し、潮流に応えるため、物流施設自体の付加価値向上へIoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)といった先進技術の積極活用を検討していく姿勢を強調した。

 一例として、安川情報システムや日本ユニシスなどと連携し、トラックドライバーが事前に利用するバースを予約するなどの機能を持つ「スマートバースシステム」を各施設に展開し、待ち時間短縮と入出荷の迅速化・効率化に貢献していくことを挙げた。

 今後の事業戦略として、中核の物流施設開発事業をより強化していくのに加え、物流業務効率化のコンサルティングまで踏み込む意向を示した。その背景として「そこまで深く取り組まないとデベロッパーとして差別化できない」と指摘。外部のコンサルタントや専門家とも連携しながら、基本的にインハウスで庫内業務のオペレーション改善へ助言できるようにする考えを示した。

 2018年度に業界団体の不動産協会で、先進的な物流施設開発を手掛ける事業者で構成する「物流事業委員会」が発足し、同社長が委員長に就いたことに対しては、今後防災に関する取り組みなどを協議していきたいとの意向を示した。

 防災については、物流施設に配備しておくべきものなどに関する統一ルールを策定することに強い意欲をのぞかせた。

(聞き手・藤原秀行、写真・中島祐)

インタビューに応じる山田社長

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