コロナショックで景況感一気に悪化、6・3ポイント下落
帝国データバンク(TDB)が4月3日発表した2020年3月の景気動向調査(全国)によると、景況感を示す業種別の景気DIは「運輸・倉庫」で27・7となり、前回2月時から6・3ポイントと大きく低下した。低下は4カ月連続で、景況感の分かれ目となる50を大きく下回った。
運輸・倉庫業のDIが20台まで落ち込むのは10年3月以来で、水準は10年2月(27・4)以来の悪さ。リーマンショックによる経済情勢悪化から立ち直る過程にあった当時から10年ぶりの低水準を記録した。全51業種中では17番目の低さだった。前月からの低下幅も運輸・倉庫業としては過去10年間で最大となった。
全業種ベースでも3月の景気DIは6・2ポイント減の32・5となり、過去最大の下落幅に達した。特に「旅館・ホテル」(7・0)、「飲食店」(14・2)、「繊維・繊維製品・服飾品卸売」(16・4)、「娯楽サービス」(17・0)の4業種は02年5月の調査開始以来最低に落ち込んだ。
TDBは先行きに関し「海外動向や新型コロナウイルスなど不確実性が高まり、後退が続くとみられる」との厳しい見方を示した。
運輸・倉庫業のコメントを見ると、先行きでは「感染症の終息の予想がつかない」(港湾運送)、「影響は当分続くと予想している」(冷蔵倉庫)などの悲観的な声が聞かれた。
調査は3月17~31日にインターネット経由で実施、全国の1万1330社が有効回答を寄せた。回答率は47・9%だった。運輸・倉庫業は485社が回答した。
(藤原秀行)