PALTAC、レジ無人化技術を活用へ

PALTAC、レジ無人化技術を活用へ

米スタートアップと連携、薬王堂店舗で2019年中旬までに実験開始

 日用品・一般用医薬品卸大手のPALTACと米国のスタートアップ企業スタンダード・コグニション(SC、カリフォルニア州サンフランシスコ)は10月11日、東京都内で記者会見し、SCが開発した、AI(人工知能)を駆使した小売店舗のレジ無人化支援システム「スタンダード・チェックアウト」の活用方針について説明した。

 PALTACは顧客企業で岩手を地盤とするドラッグストアチェーンの薬王堂で、2019年中旬までに店舗で実証実験をスタートする計画を発表した。

 同システムは店舗の天井に取り付けたカメラが来客の行動を画像認識し、手に取ったり買い物かごに入れたりした商品を自動的に把握する。来客がレジに並んだり、自ら商品のバーコードをスキャンしたりする手間を省けるのが利点。スマートフォンのアプリなどを通じて支払う仕組みだ。

 PALTACは今年7月、同システムを日本で初めて採用すると発表していた。

 記者会見でSCのマイケル・サスワル最高執行責任者(COO)兼創業者は「20年までに日本でシステムを3千店舗に導入したい」との目標を示した。

 米アマゾン・ドット・コムがレジのないコンビニエンスストア「アマゾン・ゴー」を積極展開していることについては、商品棚へのセンサー取り付けや個々の商品へのRFIDタグ添付などが不要のため、導入・運営コストの面で自社システムに優位性があると強調した。

 PALTACの三木田雅和研究開発本部長は、薬王堂の店舗での実証実験に関連し、レジ打ち業務の効率化による人手不足対応などの効果に期待を表明。同時に「物流センターの高効率化にもつなげられる可能性がある」と語り、システムで用いられている画像認証技術を検品などに応用することにも意欲を見せた。

(藤原秀行)

会見でシステムの利点などを説明するマイケル・サスワルCOO

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