【独自取材、新型ウイルス】帝国データ6月企業景況感、運輸・倉庫業はリーマン後の11年ぶり低水準まで再び悪化

【独自取材、新型ウイルス】帝国データ6月企業景況感、運輸・倉庫業はリーマン後の11年ぶり低水準まで再び悪化

コロナ拡大が重し、他業界の下げ止まりから出遅れか

帝国データバンク(TDB)は7月3日、2020年6月の景気動向調査(全国)結果を発表した。景況感を示す業種別の景気DIは「運輸・倉庫」が21・5となり、前回5月時から1・2ポイント下がった。5月は6カ月ぶりに下げ止まったが、再び悪化。景況感の分かれ目となる50からまたしても遠ざかった格好だ。

DIの水準は直近でリーマンショックによる経済情勢悪化から立ち直る過程にあった09年6月(20・6)以来、11年ぶりの低さまで落ち込んだ。新型コロナウイルスの感染拡大が運輸・倉庫業界の景況感の重しとなっていることが鮮明に示された。

一方、全業種ベースで見ると、6月の景気DIは2・4ポイント上がって27・6となり、9カ月ぶりに前回調査を上回った。新型コロナウイルスの感染拡大でストップしていた経済活動が徐々に再開していることで、景況感も下げ止まってきた。ただ、10業界・50業種のうち、5月から景気DIが下がった6業種に運輸・倉庫業が含まれており、減少幅は2番目に大きかった。運輸・倉庫業の景況感回復が出遅れている可能性を示唆した。

TDBは全体の先行きに関し「後退傾向が一時的に下げ止まるものの、力強さに欠ける動きが続くとみられる」と展望している。

運輸・倉庫業のコメントを見ると、先行きに関して「新型コロナウイルスの影響、および酒税の変更で先行き不透明」(梱包)、「遊技機業界は3カ月先が読めない。経済が動かないと荷物も動かない」(普通倉庫)といった厳しい見方が出ていた。

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調査は6月17~30日にインターネット経由で実施、全国の1万1275社が有効回答を寄せた。回答率は47・6%だった。運輸・倉庫業は490社が調査に協力した。

(藤原秀行)

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