営業減益も過半数、コロナ感染やコスト増が影響
7月6日までに2020年3月期決算を発表した上場物流企業73社のうち、今年1~3月期の売上高が前年同期より減った企業が、全体の53・4%に相当する39社に達したことがロジビズ・オンラインの集計で明らかになった。
新型コロナウイルスの感染拡大による景気減速の影響が物流企業の決算に表れ始めていたことがうかがえた。今後本格化する4~6月期の決算では、さらに影響が拡大しているとみられ、業界を挙げて業務効率化や経営基盤強化などの対策を迫られそうだ。
集計は売上高(一部企業は営業収益)と本業のもうけを示す営業利益に関し、20年3月期決算の数値から19年4~12月期(第3四半期)決算の数値を引いて算出した。基本的に連結決算が対象だが、一部企業は単独決算のみの公表だった。
上場物流企業73社の売上高を合算して比較すると、20年1~3月期は約2兆3100億円で、前年同期より1・3%減少。東京証券取引所の分類などを参考にして「陸運」「海運」「倉庫」に分けたところ、陸運33社は0・2%減、海運13社は4・8%減、倉庫27社は3・4%減となり、海運の落ち込みが目立った。
減収だった企業数は陸運が15、海運が7、倉庫が17だった。
営業利益は、前年同期の黒字から今期は赤字に転じるなど、前年実績からの増減率を算出できない企業を除いた58社の総額で20年1~3月期は約1110億円と、前年同期比4・4%減少。業種別では「陸運」(31社)が1・6%減、「海運」(6社)が2・6%減、「倉庫」(21社)が13・0%減で、倉庫の減益幅が目を引いた。減益だったのは陸運が13、海運が3、倉庫が15のトータル31で、53・4%に上った。
営業利益に関しては、新型コロナウイルスの感染拡大による売上高減少の影響に加え、働き方改革で省人化設備を導入したり、人件費が上昇したりしたことなどを減益の理由に挙げる企業も見られた。
(藤原秀行)